成長期のスポーツ障害 No.6 成長期の肘障害
2021年10月25日
第6回目の成長期のスポーツ障害は、「成長期の肘障害」(肘の内側障害、外側障害)について説明させていただきます。
成長期の肘障害とは
肘の内側に出やすい障害と外側に出やすい障害があります。
① 肘内側の障害:上腕骨内側上顆障害
投球動作などで動かされた筋肉(の腱)が、付着部である肘の内側の弱い成長軟骨(骨端線)を繰り返し強く牽引することで炎症を起こします。
放置すると肘の内側の痛みが徐々に増強し、肘の曲げ伸ばしが困難になる場合や成長軟骨が剥離することもあります。
野球などの投球動作を行う子どもに多い症状のため、別名リトルリーグ肘とも言われます。
② 肘外側の障害:離断性骨軟骨炎
肘の外側の骨が繰り返し衝突したり、力が加わることで骨軟骨がはがれて起こるのが離断性骨軟骨炎です。
内側の障害に比べて例は少ないですが、これも野球の投球動作で起こることがあるため、外側の野球肘とも呼ばれます。
剥離した(はがれた)軟骨が肘の隙間に挟まってしまうと痛みが生じたり、著しく肘の動きが制限される場合があります。
その原因
成長期の子どもは、大人に比べて骨や軟骨が弱いため、肘の同じ部分に繰り返し力が加わることで痛みが生じたり、関節の動きが悪くなることがあります。
体の出来上がっていない成長期に野球の投球(動作)を過度に繰り返すこと(投げ過ぎ、良くないフォームで投げる、変化球ばかり投げるなど)も、肘障害の要因になり得ます。
治療法について
①、②ともに患部の安静を優先させ、肘を使う運動を休止(減少)させ、痛みが治まってきたら肘を使った運動を徐々に再開していきます。
炎症の進行を抑えるために、アイシングや電気治療などの物理療法を行ったり、湿布などを貼付する方法があります。
②については、競技が野球の場合、一定期間投球を停止する必要があります。期間は剥離の程度により異なりますが、少なくとも半年程度は症状の経過を観察しながら肘の運動(投球動作)を控えます。
ケースによっては剥離した軟骨を手術で除去した方が良い場合もありますが、手術を行うかどうかの判断は症状だけでなく「今後の競技への取り組み方」や「どういう形で競技復帰をしたいのか」といった今後のライフスタイルと照らし合わせながら判断する必要があります。
スポーツへの復帰については、経過の確認が必要ですので医師の判断を仰いでください。
保存的療法と理学療法士によるリハビリを併用して行い、肘の使用頻度、強度、運動のフォーム、体のバランスなどの指導を受けながら徐々に運動復帰を目指します。
運動復帰した後は、怪我の再発がないようウォーミングアップ、クーリングダウンなどの体のセルフケアとパフォーマンスの改善による怪我の予防を心がけましょう。
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今回ご紹介した リトルリーグ肘、離断性骨軟骨炎の他にも、代表的な肘のスポーツ障害として、上腕骨内側上顆炎(野球肘、ゴルフ肘)、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)などがありますが、これらは子どもだけでなく、成人・大人がスポーツをプレーしたり、肘の酷使をしてもなる可能性があるため、今回の成長期のスポーツ障害では省略させていただきます。
過去のブログ関連記事を紹介させていただきますので、よければ参考になさって下さい。
>> 野球における投球数と成長期における障害について
>> 肘が痛いな。テニス肘?スマホ肘?そんな時の対処法
子ども(または大人)の肘のスポーツ障害はみひらRクリニックまで。金沢市笠舞3丁目交差点すぐの整形外科専門クリニックです。
成長期のスポーツ障害 No.5 ランナー膝
2021年10月25日
第5回目の成長期のスポーツ障害は、「ランナー膝」(腸脛靱帯炎)について説明させていただきます。
ランナー膝については、過去のブログ記事
>> ランナー膝(腸脛靭帯炎)になった場合の対処法
でも、取り上げたことがありますので、良ければ参考にご覧ください。
ランナー膝とは
この疾患の正式名称は腸脛靭帯炎ですが、ランニングをする方によく起きる症状のため一般的にランナー膝とも呼ばれ、ランニング時やランニンング後に膝の外側に痛みが生じます。
膝の外側(腸脛靱帯の付着部)を触ると圧痛を認めます。
陸上の長距離種目やサッカーなど走る量の多い競技の選手によく見られますが、ランナー膝は成人でも起こる症状のため、必ずしも成長期に限定された疾患ではありません。
その原因
大腿(ふともも)の外側に腸脛靭帯という長い靭帯がありますが、この靭帯が運動動作により繰り返し摩擦されて起きる炎症が腸脛靱帯炎です。
ランニング動作でこの靭帯の繰り返しの摩擦が起こりやすいため、部活開始時期や大会前など、ランニング量が増える時期に発症する傾向があります。
治療法について
痛みが強い場合には、患部の安静を優先させて運動量を減少させます。
炎症の進行を抑えるために、アイシングや電気治療などの物理療法を行ったり、湿布などを貼付する方法があります。
また、症状の進行・再発予防のために股関節周囲の筋力強化やストレッチングを継続して行います。
スポーツへの復帰については、運動量を減らして回復の程度を考慮しながらランニング等を行うようにしましょう。
競技に合ったシューズの選び方や足底板(インソール)が効果的な場合もあります。
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マラソン大会に向けての走り込みなどでランナー膝(腸脛靱帯炎)は発症しやすくなります。
ランニング前のウォーミングアップ、ランニング後のクールダウンをしっかり行い、怪我をせずにパフォーマンスを高められるように練習を行いましょう。
みひらRクリニックでは、整形外科医の院長が金沢マラソンのサポートを行うなど、ランニングによる障害に対しても適切な対応ができるよう準備を行っています。
トレーニング方法、ランニングフォーム、シューズの選択など、マラソン・ランニングに関する整形外科的な相談は当院を受診下さい。
運動器超音波検査15
2021年10月25日
本日は烏口肩峰靭帯の超音波画像を紹介を致します。
烏口肩峰靭帯の抽出方法としては、烏口突起と肩峰に対してプローブを当てます。そうすると、烏口肩峰靭帯の長軸画像が抽出できます。
烏口肩峰靭帯の長軸画像を観察する理由として、静的には肩峰下滑液包炎や腱板炎などの局所状態を観察します。
動的には烏口肩峰靭帯観察下にて、ホーキンステストを行い、腱板と肩峰下滑液包との癒着の有無を動態観察したり、骨頭の求心位の乱れ(obligate translation)を動態観察します。
運動器超音波検査14
2021年10月19日
本日は長内転筋に肉離れの所見を認めた症例の紹介を致します。
昨日投稿予定でしたが、1日遅れの本日の投稿になります。
左側が健側と右側が患側になります。
健側は筋肉の低エコーが綺麗に確認できますが、患側は筋肉が高エコーを呈しています。
また患側の筋厚は厚いです。
長内転筋に圧痛はありますが、動作時の疼痛は強くありません。
超音波画像にて筋損傷を認めるため、疼痛で判断するのではなく、画像で判断することが重要です。
成長期のスポーツ障害 No.4 シンスプリント
2021年10月11日
第4回目の成長期のスポーツ障害は、「シンスプリント」(脛骨過労性骨膜炎)について説明させていただきます。
シンスプリントとは
シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は、すねの内側に痛みが起こる障害で、中高生などの成長期に多く発症する傾向があります。
陸上の中・長距離走やサッカーやバスケットボールなど、走る量の多い競技の選手に多く見られます。
※シンスプリントは、すねの内側に縦長に広い範囲で痛みが生じますが、限局した個所に強い痛みが続く場合には疲労骨折の可能性も考慮する必要があります。
その原因
ランニングの量(や質)が急激に増加することで、足関節を踏み込む筋肉や筋膜の繰り返す収縮で、脛骨(すねの骨)の骨膜に炎症が起きるものと考えられています。
ひらめ筋・後脛骨筋・長趾屈筋などの足関節底屈筋のオーバーユース(使用過多)の他にも、偏平足・回内足などの足の形状の問題、足関節の柔軟性の低下・下腿の筋力不足、シューズのクッションや形状の問題、など複合的な問題が考えられます。
治療法について
痛みが強い場合には、患部の安静を優先させて運動量を減少させます。
炎症の進行を抑えるために、アイシングや電気治療などの物理療法を行ったり、湿布などを貼付する方法があります。
また、症状の進行・再発予防のために足底、足関節周囲の筋力の強化やストレッチングを継続して行います。
スポーツへの復帰については、運動量を減らして回復の程度を考慮しながら行うようにしましょう。
競技に合ったシューズの選び方や足底板(インソール)が効果的な場合もあります。
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シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)はランニング初心者や走り込み急増の時期に起こり易いスポーツ障害です。
金沢市の整形外科・みひらRクリニックでは、トレーニング方法、ランニングフォーム、シューズなど多方面からの解決方法を考えます。



















