肩の痛み

肩の痛みを訴える患者様は、主に上腕のつけねや外側(軍服の肩章の部分)に痛みを覚えることが多いです。肩の痛みを感じた場合、その原因を探ることが大切です。


1.骨折


冬の雪道を歩いていて滑って横に倒れてから肩が痛いといった怪我の場合は、上腕骨近位端骨折や鎖骨骨折、肩鎖関節脱臼といった外傷が疑われます。ときに手術治療を必要とすることがあります。


2.腱板損傷


スポーツをすることで痛みが出現した時は、関節唇損傷、関節亜脱臼といった関節の安定性にかかわる病気や筋腱の損傷が疑われます。肩関節とは、肩甲骨関節窩と上腕骨頭で構成し関節を覆うように腱板というものがあります。腱板とは、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋で構成されており、肩の動的スタビライザーの働きをしています。腱板が損傷し炎症を起こすと、物を持って腕を上げることができない、腕の位置を固定して作業ができないなどの機能障害が生じます。
腱板の状態を正確に診断するには、エコー検査を行います。みひらRクリニックでも外来診察時に迅速かつ簡易に行っております。お心当たりの方は是非ご相談ください。



3.肩関節周囲炎


肩関節周囲炎とは、いわゆる五十肩です。整形外科の病気では、ぎっくり腰やヘルニアと並んで知名度の高い病気です。また、多くの患者様が誤解をされている病気でもあります。
五十肩は時間が経過しないと治らない。また治療しなくても自然に治るといった誤解です。
確かに何%かはそういう方もいます。しかし多くの方はしっかりした治療を必要とします。
その実態は、肩関節を形成している関節の袋(関節包)や腱板、そのまわりを囲んでいる滑液包という部分に炎症が起こり弾力性を失い周囲と癒着するため肩の動きが悪くなるのです。肩関節周囲炎は①炎症期、②拘縮期、③回復期と3つの時期分類されます。



①炎症期


発症初期には強い炎症所見を示します。肩を動かす時の痛み以外に、安静時や就寝時に痛みを感じて眠られないことがあります。この時期にはステロイド注射や痛み止めを飲んで頂き、肩を安静にすることが必要となります。

②拘縮期

炎症期の強い痛みが過ぎると、関節が固くなる拘縮期が訪れます。この期間が人によって差が大きく、長い方では一年近く続くこともあります。関節の可動域が制限されることで
衣服の着脱、洗髪、ズボンの後ろポケットに物を入れられない、ベルト通しができない、エプロンや髪が後ろで結べないといった、日常生活動作に支障をきたします。痛い肩を下にして眠ることができないこともあります。できるだけ速やかに動きをよくする必要があります。

③回復期

運動時の痛みが次第に改善し、積極的なリハビリを行い可動域の更なる改善が必要です。

みひらRクリニックでは、理学療法士が施術を行います。合理的で痛みを伴わないリハビリテーションを行い、肩関節の動きを改善しています。
また従来のリハビリに加えて、新しい治療も行っています。
加圧トレーニング下での施術を積極的に取り入れています。無痛下に行えて、極めて効果が高いことが2017年の研究で分かってきました。また、筋肉間の癒着が強くて動きが悪い場合は、エコーで癒着の部位に生理食塩水を注入して、癒着をはがす筋膜リリースを加えて動きが飛躍的に改善しています。患者様にできるだけ早く治っていただけるように日々治療に取り組んでいます。お悩みの方はぜひともご相談ください