骨粗鬆症とは?

超高齢社会の訪れとともに、認知症の患者が増加するとともに、骨粗鬆症の患者も増加しています。骨粗鬆症とは骨密度の低下や骨質の低下により、骨の強度が低下し、結果として骨折を生ずるリスクの高い病気です。

骨は、破骨細胞(古く劣化した骨を壊す働き)により吸収され、造骨細胞(骨をつくる働き)により新しい骨が作られています。このように骨が生まれ変わる事を骨の新陳代謝とまたは、骨のリモデリングとも言います。健康な骨は、皮膚と同じように新陳代謝を繰り返しています。しかし、破骨細胞と造骨細胞の働くバランスが崩れると、骨粗鬆症になります。特に、閉経後の女性にみられる骨粗鬆症は、骨破壊が亢進して骨生成が追い付かないために発生すると言われています。骨粗鬆症治療薬の多くは、この亢進した骨破壊を抑える作用があります。

また、近年骨を造ることを促す役目のお薬(注射だけですが)が使われるようになっています。この薬は、重症の骨粗鬆症で何度も骨折を起こす方に用いられます。

診断法は、骨密度の測定が行われます。最も、骨密度が高いと思われる20歳代を100%としてどれくらいの値かを%で表します。
みひらRクリニックでは、前腕骨で測定します。一分間で終わる簡単な検査ですぐに結果をお知らせすることができます。
また、骨質を知るために血液検査や尿検査で骨マーカーを調べることがあります。結果がわかるまで一週間かかります。



さて、骨粗鬆症の診断がついたところで、治療について説明します。治療には、三つの大きな柱があります。
1)食事療法 2)運動療法 3)薬物療法です。


1)食事療法


規則正しい食事はもちろんのことです。骨を作る基となる、カルシウム、タンパク質、ビタミンⅮを多く含む食品を、積極的に摂りましょう。
カルシウムは、牛乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)大豆製品(納豆、豆腐、おから)小魚(しらす、わかさぎ、ししゃも)緑色野菜(小松菜、チンゲン菜)などに多く含まれます。
タンパク質は、お肉にも多く含まれますが、魚肉や植物性タンパク質の大豆製品がお勧めです。
ビタミンⅮは、干しシイタケやレバー、ウナギのかば焼き、鮭、サンマ、ヒラメに多く含まれます。
これらの食品をバランスよく摂りましょう。

2)運動療法 

体重がかかる運動がおすすめです。毎日15分の散歩がよろしいでしょう。
もちろん、ジョギングや筋トレも有効ですが、水泳は骨密度を高めるには適していません。むろん何にもしないよりは良いのですが。

3)薬物療法  

作用機序より二つのグループに分けられます。

① 骨吸収(骨破壊)抑制薬 

  • ビスフォスフォネート製剤:月一回服用するものや週一回服用するものがあります
  • デノスマブ:半年に一回の注射です
  • ゾレドロン酸:年一回の注射です
  • SERM:女性ホルモンによく似た性質のお薬です。比較的若年の女性に使われます

② 骨形成促進薬

テリパラチド:注射薬しかありません。週一回の注射と毎日自己注射をする、二つの薬剤があります。骨密度の低下が激しく骨折のリスクが高い場合に使われます