ストレッチとは何か(総論)
2024年06月05日
運動療法におけるストレッチは、「筋肉」を伸ばす作業になります。
筋肉の末端の多くは骨に付着していて、筋肉が付着している骨は他の骨と「関節」という、つなぎ目を構成しています。
・運動前のストレッチは、筋肉を伸ばすことにより、これから行う運動に必要な関節の可動性(うごきやすさ)を確保します。
・運動後のストレッチは、運動による筋疲労によって失われた関節の可動性(うごきやすさ)を再獲得します。
つまりストレッチは筋肉を伸長することで、関節の動きをよくするものになります。
スポーツ障害の多くは、この関節の可動性が不足しているにも関わらず、競技中に無理に身体を使うことで身体の各部(関節、筋肉)にストレスを与え、それが蓄積することで発生します。
また、アスリートは一般の方に比べるとハイパフォーマンスを要求される場面が多く、そして、競技によってそれぞれ特異的な動き(通常とは異なる動き)が存在しています。その特異的な動きを繰り返し行うことで、可動性の観点から、よく使われる関節とあまり使われない関節がでてきます。
この状態が長期的に続くと、左右差(バランスの偏り)というものが生じ、身体が思うように使えなくなることで、パフォーマンスに大きな影響を与えてしまいます。
この左右差を生まないためにも、ストレッチによって身体をリセットし、常に高いパフォーマンスを出せる身体にする必要があります。
つまりストレッチには「障害予防」と「パフォーマンスの維持向上」の2つの目的があると言えます。