遊学館高校出身で、今年のドラフトで読売ジャイアンツから育成2位指名を受けたBC石川の高田竜星(たかた・りゅうせい)投手が、当院を訪問してくれました。

高田選手は中学、高校時代に当院を受診したことがあり、その縁で今回三平院長まで挨拶に来ていただきました。


今後の高田選手のご活躍を、みひらRクリニックの院長・スタッフ一同期待しています。


最近SNSで「いいね!」、されていた桑田真澄さんのニュースで気になったものがありました。
気になる記事とは、高校野球の投球制限についてです。

いま、全国高校野球が行われていますよね。地元、石川県日本航空石川高等学校も頑張ってくれました。
そんな中、よく記事で見るのが「〇〇〇球以上の熱投」、「〇〇、エースが投げ切る」などなど…

実際の投球数ってどうなんですかね?
野球肘で当院へ来られる小中学生に聞くと、100球近く投げ込んでいる子がほとんどです。
成長期って事を考えると、正直投げすぎです

それでは、年齢における投球数や成長期における障害についてお話します。

投球数

投球数の制限と言われても…。

「じゃぁ、どれくらい?」

日本臨床スポーツ医学会によるとですね

  • 小学生の場合、1日50球以内、週200球を超えない
  • 中学生の場合、1日70球以内、週350球を超えない
  • 高校生の場合、1日100球以内、週500球を超えない

アメリカのMLBにおいても投球数をしっかり定めたガイドラインが出ました。



見方としては
10歳で1日60球なげたとすると3日間の51~65に相当するため3日間の休養が必要となります。

実際、投球制限を分かっていても出来ていないのが現状ですね…

では、投球制限をしないといけないのは何故か?

成長期

10歳ごろとなると思春期。いわゆる成長期に入るわけです。
大きく分けて2つの大きな意味があります。

  • 大人になるための心の準備期間
  • 大人になるために体の構造を成長させる期間

まぁ、大人になるための準備段階と考えてもらえればいいと思います。
しかし、大人のミニチュア版と考えると外傷や障害に繋がります。

成長期は、成熟した大人になる準備段階であり、決して大人のミニチュア版ではありません。準備段階であるがための特徴があり、この特徴を理解することがスポーツ外傷や障害の予防につながります。以下に主な成長期の運動器の特徴を述べます

①骨が柔らかい(弱い)

骨が柔らかいために、ボキッと折れるのではなく、若木がぐしゃっと曲がるような骨折(若木骨折)を起こします。

②自然治癒力が高い

治りが早いのは良いことですが、例えば骨折を変形したまま放置してしまうと、早期に変形したまま骨癒合してしまい、機能障害が残ってしまうことがあるので注意が必要です。

③骨端線(成長線)が存在


これが一番重要ですかね
成長期の骨は、骨の中心部にあたる骨幹部と、骨の端の部分に分かれています。その間に骨端線(成長線)が存在しています。成長期の骨端部には、骨端軟骨(成長軟骨)が存在し骨の長さの成長を司っています。成長とともに骨端軟骨の中心に骨(骨端核)ができ、次第に骨端全体が骨となり、骨端線が消失して、骨幹端部とつながって大人の骨となります。骨端部、骨端線は、骨の成長に大変重要な部分ですが、成長を重ねている間は、力学的負荷に弱く、外傷や障害が起こりやすくなります。

④柔軟性の低下

個人差はありますが、女子では10歳頃から、男子では11歳頃から成長が早くなり始めます。身長(骨)が急激に伸びると、筋肉の発達が追いつかず筋肉が相対的に短縮し、結果として筋の柔軟性が低下して体が硬くなります。この骨と筋の成長のアンバランスが、「成長痛」の原因ともいわれています。また、この時期は、成長軟骨にも負担がかかりやすくなっています。

成長期に起こりやすいスポーツ外傷・障害

骨端部、骨端線の外傷・障害は成長期に特有のものです。
放置しておくと、成長に影響が生じ大人になっても症状が継続したりして競技力に影響を及ぼしてしまうこともあるため注意が必要な損傷です。

リトルリーグショルダー

上腕骨の肩に近いところの骨端症です。リトルリーグのアスリート、特に投手に多いためこのような名前がついていますが、バレーボールやテニスなど投球に似た動作をするアスリートにもみられます

野球肘