競歩で日本人選手がメダル獲得!

先般の東京オリンピックをTV観戦された方は多いと思いますが、私もたまたま50キロメートル競歩を見る機会がありました。

結果として日本人選手はこの競技(50km競歩)でメダルを手にすることは出来ませんでしたが、競歩という競技の特性上、骨格が華奢な日本人でも体の使い方やトレーニングの方法次第では世界のトップといい勝負が出来るのではないかと思いました。

実際に20キロメートル競歩では、池田尚希選手と山西利一選手がそれぞれ銀メダルと銅メダルを獲得しました。同種目での日本人選手のメダルは初とのことです。

競歩のルールが、いろいろとすごい

競歩という競技は、かなりユニークなルールを設定していると思います。

まず、歩くということが大前提になっているので、両足が地面から離れる瞬間があってはなりません。短距離走やランニングの走る動作と違って、体が宙に浮いた瞬間があってはダメということです。

これらの禁則事項は「ロス・オブ・コンタクト」や「ベント・ニー」など、競技のルールとして厳格に定められていて、選手のフォームにこれらの違反がないか複数の審判員が常にチェックし、もし違反が指摘されレッドカードが蓄積すると、最悪の場合失格となってしまいます。

「最も過酷な陸上競技」と呼ばれ

この制限された状態で、トップ選手たちは1kmを4分を切るタイムで歩くというのですから、非常に驚かされます。

普段ランニングをされる方ならわかると思いますが、ジョギングで1kmを5分ペースだと結構なスピードだと感じるはずです。

競歩もマラソン(あるいは短距離)などの競技も、「決められた距離を、できるだけ短い時間で到達する」という根本の目的は同じなのですが、競歩はルールとして運動とエネルギーの効率性を排除している点で、他の陸上競技と完全に質が異なります。


このように、競歩は体力的にもルールの厳格さ的にも大変過酷な競技であり、そのハードさから「最も過酷な陸上競技」と呼ばれることもあるようです。

私も以前体育館を競歩でひたすら往復するトレーニングしたことがありますが、わずか10分間で心肺機能も体力もかなり疲労した記憶があります。

燃費が悪い競歩のフォーム

人が歩行する場合、時速7kmの時点から早歩きよりも走ったほうがエネルギーの効率が上がるそうです。

それは、人(や動物)の足にはアキレス腱のようにバネの役割を果たす組織があるためですが、競歩ではこのバネの力をあえて制限するようなフォームにルールを設定しているので、体には非常に過酷で非合理(?)なスポーツといえます。


ちなみにアキレス腱の話でいえば、動物のカンガルーなどは非常に発達した腱を持っていますので、弾むようにジャンプしながら高速で移動することができます。

バネの力を使わず、脚の運びだけで体を前に進める競歩がいかに大変で非効率かを、自動車で例えると「燃費が悪い」ということになります。

自動車などでは、ガソリン1リットル当たりの走行距離(km)を「燃費(燃料消費率)」で表現しますが、競歩は燃費を非常に悪く設定した状態でスピードを競うという、なんとも矛盾した競技だといえます。

競歩をトレーニングのアクセントに

逆に考えると、「燃費が悪い」ということは体力の消耗に比してエネルギー消費が大きいということですので、脂肪燃焼などのダイエット効果を目的として実践するのは1つの方法だと考えられます。

しかし、競歩のフォームは見た目がユニークですので、ウォーキング感覚で気軽に行うには道行く人の目が気になるかもしれませんね。


また、普段のランニングやウォーキングに変化を取り入れる目的で、競歩のようなフォームを取り入れるのは効果的だと思います。
その他にも、普段よりペースを速める早歩きや、少しストライド(歩幅)を広げた大股歩きのようなフォームで歩くのも面白いと思います。


これらのフォームを実践してみると、普段のウォーキングとは運動の強度や使う筋肉が違ってくるので、負荷のかかるポイントや疲労する箇所も異なってきます。

もし普段のランニングやウォーキングが少しマンネリ化していて、トレーニングの変化や刺激を求めているならば、これらの方法もトレーニングの1つのヒントになります。

行った後の体の反応を確かめながら、自分の目的にあったフォームやプログラムを試行錯誤してみてはいかがでしょうか。

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

ランニング障害、足の問題、靴(シューズ)の問題など、みひらRクリニックではスポーツ整形に造詣が深いドクターと専門のリハビリスタッフ(理学療法士)が、あなたの健脚を実現するために取り組みます。

金沢市の整形外科で足の問題を解決したい時は、みひらRクリニックまでご相談下さい。


ブレイブボード(キャスターボード)



ブレイブボード(あるいはキャスターボード)という乗り物(遊び道具?)をご存じでしょうか?

スケートボードのような板様の形状なのですが、2枚構成の板の中央部分はシャフト軸で繋がって長軸方向に捻じれるように出来ており、なおかつその車輪はスケートボードのように角度が固定された前後2個ずつの構成と違い、360°方向に回転可能な車輪が前後に1輪ずつしか付いていないという、なかなかユニークな構造をした乗り物(?)です。



乗りこなすのはなかなか難しいが・・・

子どもの遊びに便乗してこれに乗ってみたのですが、やってみると意外と難しいことが判明しました・・・

まず車輪が前後1輪づつのため、なかなか立って静止できない?!

さらに、左右にスラロームするどころか、進行方向に進むのもなかなか大変ではないですか・・・


端から見ていると、子どもたちはスイスイと進んでいくのに、「この差はなんなのだろうか?」と何度も転びそうになったり(転んだり)しながら、練習しているうちにコツらしきものをつかむことが出来ました。

トレーニングギアとして

結論としては、ボードの上で無理に止まろうとせずに体幹の捻りを下半身に伝えるように常に体を動かしていると、ボードが勝手にスルスルと動いてくれます。

考えてみれば、完全静止は普段の動作の中でも極めて難しい行為にもかかわらず、それを不安定なボードの上で実現しようとすることに無理があった・・・

などと考えながら、この乗り物(器具)は、バランス感覚を養うトレーニングとして結構優れているのではないか、と思うようになりました。


上半身の動きと下半身の動きをスムーズに連携させるコーディネーショントレーニングとしても優れているし、不安定なものの上で安定して立とうとするので、体幹のスタビリティ(安定性)を強化するトレーニングにもなると感じました。(当然、脳神経系のトレーニングとしても良いと思います。)


調べてみると、プロのスキーヤーやスノーボーダーの人で、オフシーズンのトレーニングとしてブレイブボード(キャスターボード)を利用している人もいるようです。

「たかが子どもの遊び道具と侮ることなかれ!」といったところでしょうか。

何より乗っていて楽しいので、大人も子どもも楽しくトレーニング(?)出来そうです。

道具の進化と工夫

いろいろな道具やモノの進化や工夫には驚かされますが、この器具のように捻じれの力を推進力に変えて進むというのは従来のスケートボードではない発想でユニークだと思います。

あらためて、この乗り物を考えて作った人の発想はすごいと感心させられます。


ちなみに、このボードがなぜ前に進むのか、という力学的な説明は、理科の実験でおなじみの ”でんじろう先生” の説明がインターネット上にありましたので、下記にリンクを貼らせていただきます。

興味のある方は、そちらをご覧になって下さい。

>> でんじろう先生のはぴエネ 2018年10月6日放送 第496回 「キャスターボード 進む仕組み」


▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

運動器リハビリテーションでスポーツ障害からの回復を目指しましょう。バランス感覚を養うトレーニングも実施することがあります。

スポーツ障害の予防、スポーツパフォーマンスアップのための相談は、金沢市の整形外科・みひらRクリニックまでお寄せ下さい。



交通事故の後、しばらくしてから痛みが出るのはどうして?

交通事故に遭遇した時、直後には痛みや不具合を感じなかったのに、何日か経ってから痛みを感じるようになったり、頭痛やめまいなどで体調を崩すケースがあります。

この現象はなぜ起こるのでしょうか?

原因はいろいろと考えられますが、一つには自律神経と呼ばれる神経の作用が考えられます。

体の中で何が起こっているか

事故のような物理的に強い衝撃が体に加わると、人の筋・骨格や軟部組織には強いストレスが生じます。

耐性を超えたストレスは組織に損傷を生じさせ、外傷が生じれば出血に至ることもあります。

本来であれば組織の損傷度合いに応じて、脳が痛みのシグナルを発し、体が緊急状態であることを知らせるはずです。
ところが、あまりに強すぎるストレスは心身を興奮状態に覚醒させ、痛みをあまり感じさせなくすることがあります。

これが自律神経のうち、交感神経といわれる神経が(過剰に)作用している状態です。

自律神経(交感神経)の作用

交感神経が強く作用すると、体は「心拍数、血圧を上昇させる」「瞳孔を拡大させる」など、緊急事態に備えたスタンバイを行います。

また、作用の一つとしてアドレナリンというホルモンを分泌させますが、アドレナリンが大量分泌されると、痛みを感じるセンサー(感覚器)が一時的に麻痺した状態になり、本来感じるべき痛みを感じにくくなります。

格闘技の試合やハードな接触のあるスポーツなどで、選手達が痛みを感じてないかのようにプレー出来るのも、同様にアドレナリンが大量に分泌されているためだと推測されます。

痛みは隠れているだけ・・・

交通事故のような衝撃は、人間にとって命に関わる緊急事態のため、究極の興奮状態が交感神経を優位に働かせ(アドレナリンを大量に分泌させ)、本来感じるはずの痛みを麻痺させてしまうことがあります。

ところが、交感神経の作用はあくまで緊急事態に備えた一時的な作用であるため、興奮状態は長く続くものではありません。

時間が経過し、交感神経による興奮作用がおさまった体は、本来の痛みを感じるようになり、時間差を置いて痛みが発生したような錯覚を起こすことになります。

つまり、事故後に痛みを感じていなかったり、顕著な自覚症状がないからといって、そのままにしておくと、実は体に深刻なダメージを負っていたのに、それが一時的に隠されているだけだったということが考えられるということです。

手遅れにならないためには、どうすべきか

痛みがはっきり現れてから、医療機関を受診した場合、もし受傷部位が大きく損傷していることが判明しても、事故から時間が経過しているため、すぐに行うべきであった対処や処置が遅くなってしまった可能性も考えられます。

ですから、交通事故に遭遇した場合には、適切な検査、診断、治療が行える医療機関(整形外科)に期間を開けずに受診する必要があります。

これは体のためだけでなく、事故の補償手続きや診断書の作成など、後々の手続きのためにも必要な事項です。

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

当院は、交通事故の診療にも力を入れて取り組んでいます。

詳細は こちらのページ(>>交通事故について)に記載していますので、よろしければご覧下さい。


交通事故の診療なら、金沢市の整形外科専門医・みひらRクリニックまでご相談下さい。


交通事故治療のご案内(パンフレット見本)



令和3年度介護報酬の改訂について

令和3年度の介護報酬の改訂が行われ、この4月から運用が開始されています。

今回の改訂では、基本報酬の数値改訂だけでなく、リハビリマネジメント加算(Ⅰ)の廃止をはじめとする各加算の統廃合も行われました。
その他にも、新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価、地域と連携した災害への対応の強化などの内容が盛り込まれており、介護サービスの将来を見据えた踏み込んだ内容の改訂となりました。

2025年問題とは?

この介護報酬の改訂とも関連しますが、皆さんは「2025年問題」というキーワードをご存じでしょうか?

これは2025年を迎える年に、第一次ベビーブームの時に生まれた、いわゆる“団塊の世代”の方々が75歳の後期高齢といわれる年齢に達するため、これ以降医療費や介護費用などの社会保障費が急激に増大することが懸念されている問題です。

既に少子高齢化が顕在化している日本において、2025年は大きな分水嶺となる年になるかもしれませんが、介護(保険)の問題だけを考えても、財源の不足のみならず、現場の人材の不足、施設の不足が今以上に顕著になることは明らかです。

これに加え、現在の新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、介護業務(業界)への負担は、今後ますます厳しいものになっていくことが予想されます。

みひらのデイケア

このような時勢の中で、高齢者のためのリハビリテーションが今後ますます重要な課題となることを踏まえ、当院では維持期を過ぎ、医療保険ではリハビリテーションを受診できなくなった方の受け皿となるべく、介護保険を利用した通所リハビリテーション(デイケア)を2017年より導入しております。

これにより、リハビリを必要とする後期高齢年代の方にも、医療と介護の切れ目のないサービスを提供することが出来るようになりました。

また、通所介護(デイサービス)との差別化を図るため、約1時間という短時間の中で集中してリハビリを行い、機能回復に特化したデイケアの提供を行っています。

お気軽にお問い合わせ下さい

当院で行っている、このような短時間集中型の通所リハビリテーション(デイケア)に興味がある方(ご本人様、ご家族様、ケアマネージャー様)には、個別にご案内を行っておりますので、お気軽にお問合せいただければと思います。

Tel. 076-262-2821

また、基本的な情報は こちらのページ (>> 通所リハビリテーション(デイケア))にも記載してありますので、どうぞご覧下さい。

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ 

短時間集中型の通所リハビリテーションなら、金沢市笠舞の整形外科専門医院・みひらRクリニックまでお問い合わせ下さい。




当院の予約制度について


当院では診療業務を円滑に進めるため、診察・リハビリなどに時間制の予約制度を導入しています。

当院の予約制度については、 こちら ( 診療のご案内 ページ >> 各種ご予約について ) をご覧下さい。


もし、患者様のご都合でこのご予約をキャンセルいただく場合には、事前(あるいは事後)にご一報いただくことをお願いしています。

当院のキャンセルポリシーは・・・

「体調が悪くて起きられなかった」「事前に用事が終わらなかった」「日時を勘違いしていた」・・・etc 患者様にもいろいろなご都合があると思います。

当院では、当日や時間直前のご予約キャンセルであっても、キャンセル料金を頂いたり、次回のご予約をお断りすることはありません。

ですので、実際には当院には成文化されたキャンセルポリシーというものは存在しないことになります。
一般的な常識と、患者様のご協力で予約制度を運用させていただいています。

逆に、当院の都合で、予約時間どおりに診療や施術を開始できない場合もありますので、
この点については大変申し訳なく思うと共に、極力予約時間どおりに診療・施術を開始出来るよう日々取り組んでいます。

ご協力をお願いしています

ご都合が合わない時、勘違いしてしまった場合には、事後でも構いませんので、担当部署までご連絡をいただきたく存じます。

  診察予約について   076-261-2335

  リハビリ予約について 076-262-2821


連絡がないと、患者様に何か大事があったのではないかと心配で業務に集中できないこともあります。
時間という貴重な資源をお互いに有効活用できるよう、ご協力をお願いする次第です。


▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ 

金沢市(菊川・城南エリア)で整形外科をお探しなら、予約制でスムーズな診療を実施している、みひらRクリニックまでお問合せ下さい。