上腕三頭筋のストレッチ
2024年06月06日
上腕三頭筋のストレッチについて説明します。
詳しい方法は、記事下部の動画に手順がありますので、参考にして行ってみて下さい。
1.構造と機能
上腕三頭筋は構造的に上腕の後ろ側に位置しており、外側・内側・長頭の3つの頭を持ちます。長頭の起始(はじまり)が肩甲骨(の関節下結節)、内側・外側頭の起始(はじまり)が上腕骨の後面となり、筋肉の停止(おわり)は、いずれも尺骨の肘頭になります。
上腕三頭筋の役割は、肘の伸展(伸ばすこと)です。特に内側頭は肘伸展の際に単に骨を引っ張るだけでなく肘頭窩に存在する肘頭下脂肪体という組織を引き上げて肘頭が肘頭窩に収まるようにしてくれているため、この部分の機能低下は肘の伸展時の後方痛の原因になりかねません。
また、上腕の後面には橈骨神経が走行し、上腕三頭筋はそこを覆っているため、上腕三頭筋は外的かつ物理的なストレスから橈骨神経を保護しているとも言えます。
2.ストレッチの対象者
上腕三頭筋はオーバーヘッドスポーツなど、繰り返しの投球動作を続けることで疲労が蓄積されてきます。オーバーヘッドスポーツでは肩凝りの方が良く見受けられますが、これは肩甲帯周囲筋である大・小菱形筋、前鋸筋、僧帽筋などの疲労が原因とされており、肩甲帯周囲筋の疲労は肩甲帯の可動性に影響を出します。
上腕三頭筋は肩甲骨に付着部位があるので、肩甲帯の可動性低下はオーバーヘッドスポーツで重要な動作である上腕の回旋時に上腕三頭筋に過度な緊張を与え、結果として肘の内外上顆炎の発生を生じさせる恐れがあります。
そのため、肘の疲労感・障害がある方はもちろん、オーバーヘッドスポーツの練習後のクーリングダウンや、怪我からの回復(リハビリ)・再発予防のために上腕三頭筋のストレッチングを行うことをお勧めします。
3.ストレッチの方法・注意点
①腕を挙げて肘を挙げ、柱などの支えになるものに挙げた腕を当てます。
②挙げた腕と反対側の脚を1歩前に出します。
③前に出した脚にゆっくりと体重を乗せ、挙げた腕(上腕三頭筋)が伸びる感覚を感じて下さい。
・30秒間(1セット)を目安に、2~3セット行いましょう。
・反動をつけて行うと筋肉を傷める恐れがあるので、痛みがでないようにゆっくりと行いましょう。
・肩や腰に痛みがある場合は、このストレッチを行うことを控えましょう。