子どもの成長痛とスポーツ障害の違い
2021年09月13日
理由のわからない足(下肢)の痛み
「子どもが足の痛みを訴えています。でも原因がわからないんです。」
親御さんからこのような訴えを聞いた場合、どのようなことを考えるでしょうか?
その痛みの原因や因果関係がわかっている場合はわかりやすいですね。
・転倒した、ぶつけた、捻った … etc
・何かの運動やスポーツを行った(行っている)
・痛みのある部分が腫れている、赤くなっている、熱をもっている … etc
しかし、お話を聞いても原因らしきものがなく、レントゲンや検査所見に異常はなく、なおかつクリニックに来た時には痛み自体が既にないケースがあります。
もしかして
様々なケースを想定しなければなりませんが、お子さんの状態は次のような事柄に当てはまらないでしょうか?
・お子さんの年齢が幼児期~児童期(3~12歳)あたりである。
・痛みの訴えが夕方~夜間、朝方に多い。
・痛みの周期が週2回~月1回程度の不定期であり、痛みの持続が数時間以内である。
・痛みを訴える箇所が毎回違うことがある。
これらの条件が重なる場合、お子さんの訴えはいわゆる「成長痛」といわれる症状の可能性があります。
成長痛とは
成長痛とは医学的に確立された疾患名ではなく、「成長期に起こる子どもの足(下肢)の特有の症状や特徴をもつ痛み」の総称です。
つまり、幼児期から思春期に繰り返す下肢の痛みの中で、特に骨や関節などの運動器に治療すべき疾患がない場合の症状の呼び方です。
一方これと比較して、成長期のスポーツ障害として知られる、膝の「オスグッド病」や踵の「シーバー病」などは、はっきりと原因や所見のわかる疾患名であり、成長痛とは本来意味合いが異なるものです。
学校やスポーツの現場などでは、運動をしている子どもに多いこれらのスポーツ障害を「成長痛」として表現することがありますが、正確には違うものです。
成長痛には、どのように対応すれば良いか?
「成長痛」については、いまだにわかっていない部分も多く、対処方法も多岐にわたります。
一般的には成長痛の原因は、日中の疲労や精神的なストレス・不安が痛みの原因になるといわれていますので、親御さんがお子さんと積極的にコミュニケーションを図り、心身ともに安心感を与えてあげることが大切になってきます。
具体的には痛い部分を軽くさすってあげたり、温めてあげたり、湿布をしてあげると良いという報告もありますし、一緒にストレッチをするのもコミュニケーションと疲労回復を図る良い方法です。
まずは整形外科受診を
本当に成長痛であれば緊急性のある状態ではありませんが、実際には治療が必要な疾患の可能性もあり得ます。
まずは整形外科を受診して、お子さんの骨や筋肉などの運動器に問題が隠れていないか確認してみませんか?
画像や検査所見に異常がなければ大きな問題は考えにくいので、ひとまず安心することができます。
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お子さんのその痛みは成長痛でしょうか?スポーツ障害でしょうか?
金沢市の整形外科・みひらRクリニックは、スポーツ障害に限らず、お子さんの下肢の痛みのご相談も承ります。