成長期のスポーツ障害 No.8 疲労骨折
2021年11月29日
第8回目の成長期のスポーツ障害は、「疲労骨折」について説明させていただきます。
疲労骨折自体は、成長期だけに限定された疾患ではありませんが、スポーツ選手が短期的に集中的なトレーニングを行った時に起こる傾向があります。
疲労骨折とは
疲労骨折とは通常の骨折とは異なり、同じ場所に小さな力が少しずつ蓄積することで骨に亀裂(ひび)が入ったり、亀裂が進行して骨折に至った状態です。
慢性的なスポーツ障害のひとつで、ランニングやジャンプなど、同じ動作を繰り返すスポーツ選手に多くみられます。
外傷性の骨折と違い、強い痛みや皮下出血、大きな腫れを伴うことがない場合が多いため、「軽い捻挫だと思っていたら、実際は骨折していた」というケースも多く見られます。
ケガをした覚えがないのに腫れや痛みが続いている場合は、疲労骨折が疑われるため注意が必要です。
その原因
疲労骨折は、足の甲にある中足骨や、脛(すね)の内側にある脛骨、脛(すね)の外側にある腓骨など、運動による負荷を受け易い部位が発症しやすい部位です。
(肋骨、大腿骨、尺骨などでも起こります。)
疲労骨折が起こる原因としては、筋力の不足・アンバランス、身体の柔軟性の不足、競技の技術不足や、オーバートレーニング、選手の体力・技術に合わない練習、不適切なシューズ、固すぎる・柔らかすぎる練習環境など多岐な原因が考えられます。
治療法について
患部の安静を優先して、運動を中止して保存的な治療を行います。
スポーツ競技など、同じ運動を繰り返して症状が発症したのであれば、その動作を1〜2ヶ月程度休止する必要があります。
痛みがある場合は、電気治療などの物理療法、湿布貼付などで炎症の進行を抑えましょう。
リハビリとして運動療法が必要な場合には、アンバランス・不足している筋力の改善、柔軟性の不足している部分の改善、シューズの適合性のチェック、トレーニングメニューの見直しなど、疲労骨折の発生要因となった問題を見直していくことが重要になります。
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シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎) などは、疲労骨折と判別が付きづらい場合があります。
金沢市の整形外科・みひらRクリニックではレントゲン、エコー検査などを使用し、詳細な疲労骨折の検査を行います。