ブレイブボード(キャスターボード)



ブレイブボード(あるいはキャスターボード)という乗り物(遊び道具?)をご存じでしょうか?

スケートボードのような板様の形状なのですが、2枚構成の板の中央部分はシャフト軸で繋がって長軸方向に捻じれるように出来ており、なおかつその車輪はスケートボードのように角度が固定された前後2個ずつの構成と違い、360°方向に回転可能な車輪が前後に1輪ずつしか付いていないという、なかなかユニークな構造をした乗り物(?)です。



乗りこなすのはなかなか難しいが・・・

子どもの遊びに便乗してこれに乗ってみたのですが、やってみると意外と難しいことが判明しました・・・

まず車輪が前後1輪づつのため、なかなか立って静止できない?!

さらに、左右にスラロームするどころか、進行方向に進むのもなかなか大変ではないですか・・・


端から見ていると、子どもたちはスイスイと進んでいくのに、「この差はなんなのだろうか?」と何度も転びそうになったり(転んだり)しながら、練習しているうちにコツらしきものをつかむことが出来ました。

トレーニングギアとして

結論としては、ボードの上で無理に止まろうとせずに体幹の捻りを下半身に伝えるように常に体を動かしていると、ボードが勝手にスルスルと動いてくれます。

考えてみれば、完全静止は普段の動作の中でも極めて難しい行為にもかかわらず、それを不安定なボードの上で実現しようとすることに無理があった・・・

などと考えながら、この乗り物(器具)は、バランス感覚を養うトレーニングとして結構優れているのではないか、と思うようになりました。


上半身の動きと下半身の動きをスムーズに連携させるコーディネーショントレーニングとしても優れているし、不安定なものの上で安定して立とうとするので、体幹のスタビリティ(安定性)を強化するトレーニングにもなると感じました。(当然、脳神経系のトレーニングとしても良いと思います。)


調べてみると、プロのスキーヤーやスノーボーダーの人で、オフシーズンのトレーニングとしてブレイブボード(キャスターボード)を利用している人もいるようです。

「たかが子どもの遊び道具と侮ることなかれ!」といったところでしょうか。

何より乗っていて楽しいので、大人も子どもも楽しくトレーニング(?)出来そうです。

道具の進化と工夫

いろいろな道具やモノの進化や工夫には驚かされますが、この器具のように捻じれの力を推進力に変えて進むというのは従来のスケートボードではない発想でユニークだと思います。

あらためて、この乗り物を考えて作った人の発想はすごいと感心させられます。


ちなみに、このボードがなぜ前に進むのか、という力学的な説明は、理科の実験でおなじみの ”でんじろう先生” の説明がインターネット上にありましたので、下記にリンクを貼らせていただきます。

興味のある方は、そちらをご覧になって下さい。

>> でんじろう先生のはぴエネ 2018年10月6日放送 第496回 「キャスターボード 進む仕組み」


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運動器リハビリテーションでスポーツ障害からの回復を目指しましょう。バランス感覚を養うトレーニングも実施することがあります。

スポーツ障害の予防、スポーツパフォーマンスアップのための相談は、金沢市の整形外科・みひらRクリニックまでお寄せ下さい。


本日は腓腹筋内側頭と半膜様筋間のベーカー嚢腫の画像を紹介致します。
腓腹筋内側頭と半膜様筋の間には滑液包があり、水腫が貯留することがあります。
腓腹筋内側頭と半膜様筋は膝関節後方に位置し、膝伸展制限の要因となる組織です。
超音波画像でも、水腫を確認することができます。



本日は内閉鎖筋(OI)を小坐骨切痕レベルで観察した画像の紹介を致します。
内閉鎖筋は閉鎖膜から起始し、小坐骨切痕を通り、上双子筋と下双子筋とconjoint tendonを形成し、転子窩に付着します。平面で見ると分かりにくいですが、水平面でみると、急な走行をしていることがわかります。小坐骨切痕による滑車を通る際、約130°走行を変えると言われています(Kapanji)。
この小坐骨切痕部は走行を変える箇所であるため、この部位に滑液包が存在します。
OI腱の石灰沈着や、滑液包炎を認めることもあるようです。







今回は夏に多発する熱中症予防のためだけでなく、普段から考えるべき水分補給の必要性について、「何を」「どれだけ」「どのタイミングで」摂れば良いのか、体の水分の収支を考えながら話をしていきたいと思います。

体内の水分量はどのくらいか?

体重中に占める水分(体液)の量は、年代別で概ね次のような割合になると言われています。

 ・子供  70~80%
 ・成人  60~70%
 ・高齢者 50~60%

年代による差はあれど、実に人間の体の6~7割が水分で出来ていることになります。

また、年齢とともに体内の水分量が少なくなっていくのは、細胞内の水分の減少が原因で、老化現象のひとつだと考えられています。

生活で失う水分の量

では、人が生活で失う1日あたりの水分の量はどのくらいでしょうか?

年齢、環境、個体差はあるでしょうが、成人男子では概ね次のような値になるそうです。

 ・尿などによる排出  1300ml/日
 ・呼吸          400ml/日    
 ・発汗          600ml/日
  小計A ・・・ 2.3 L (リットル)


私たちは呼吸によっても水分を排出していますし、発汗のような自覚のないレベルで約600ml/日程度の水分が皮膚の表面から蒸発しています。

これらの量を合計すると、私たちは約2.3 L (リットル)もの水分を毎日体外に排出していることになります。

摂取する(べき)水分の量

次に、人が毎日の生活で摂取する(べき)水分の量はどのくらいでしょうか?

これも年齢、環境、個体差はありますが、成人男子では概ね次のような値になります。

 ・食事から得る水分   600ml/日
 ・代謝で得る水分    200ml/日     
 ・自発的に摂る水分  1500ml/日
  小計B ・・・ 2.3 L (リットル)

ご飯やおかずなどの食事に含まれる水分だけで、約600 ml/日を補給することができます。

さらに、私たちは食べ物をエネルギーに変換する際に水分(代謝水)を作り出すことができ、その量が200ml/日と言われています。

水分の収支

1日の水分の収支を考える場合、上記の例でいえば

小計A : 失う水分の量 ≦ 小計B : 摂取する水分の量 であれば、計算上収支はOKですが、実際には

小計A :失う水分の量>小計B :摂取する水分の量 の人の方が多いように感じます。

実際、毎日約1.5l(リットル)も水分を摂れているか?と考えると、意識している人以外は中々難しいように思いますが、いかがでしょうか。

体内の水分が不足するとどうなるのか?

では、体内の水分収支がマイナスに傾く(小計A :失う水分の量>小計B :摂取する水分の量)と、どういった現象が起きるでしょうか。

一般的には、体重の約2%の水分が失われると、のどの渇きを覚える、食欲がなくなるなどの不快感に襲われ、運動能力が低下します。

約6%不足すると、頭痛、眠気、よろめき、脱力感に襲われ、情緒が不安定になるそうです。

さらに10%の不足になると、筋肉の痙攣を引き起こし、循環不全、腎不全になる可能性が高まります。

そして、それ以上の不足になると、意識が失われ、20%の不足では死に至る可能性も出てくるそうです。

つまり、体重の数%程度の水分を失うだけでも、熱中症のような状態を引き起こしやすく、重度の場合は命に関わるケースもあるということです。

「何を」「どれだけ」「どのタイミングで」 飲むべきか?

上記の数字を踏まえて、ではいったい「何を」「どれだけ」「どのタイミングで」飲めばよいのか、考えてみましょう。


1.「何」を 飲むべきか

水分補給の基本は水(ミネラルウォーター)で良いと思いますが、麦茶やスポーツドリンクなどのミネラル成分が含まれているものも必要に応じて摂ると良いでしょう。

注意点としては、市販の清涼飲料水は糖度がかなり高いため、大量に飲み続けると、「ペットボトル症候群」といわれる急性の糖尿病を発症するリスクが高まってしまうため、内容や容量には注意が必要です。

また、アルコール飲料やカフェイン濃度の高い飲み物についても注意が必要です。
アルコール、カフェインには利尿作用があるため、体内の水分収支としては排出の方が多くなり、水分補給の目的としてはマイナスになりますし、摂取したアルコールを分解するためには飲酒量の倍の水分が必要になると言われています。


2.「どれだけ」飲むべきか

一日に必要な水分の摂取量の目安は、体重を目安として、本人の体重を30で割った値が必要とする水のリットル数といわれています。

例) 体重が70kgの人の場合は、約2.3 L (リットル)

上記の例(体重70kgの人)でいえば、2.3 L (リットル)のうち、食事や代謝以外の残り1.5 L (リットル)分の水分を自発的に摂る必要がありますが、この必要量を1日6~10回ぐらいに分散して飲むのが理想的です。

例) 200ml × 8回 = 1.6 L (リットル) 


3.「どのタイミング」で飲むべきか

水分補給のサイクルは、「起床時」 「食事(3食)」 「入浴前・後」 「就寝前」をベースに、その間の時間帯に隙間がないようにこまめに補給するのが、理想的サイクルといえます。

しかし、ハードな運動をする場合や労働環境によっては、より水分補給が必要なシーンが増えてきますので、その人のライフスタイルに合わせて、不足がないように意識的に補給していく必要があります。

ご参考に

長くなりましたが、適切な水分補給は思っているよりも大切で大変だということをわかっていただけるとありがたいと思います。


当院の過去のブログ記事でも、運動選手の水分補給や経口補水液の飲み方について記載していますので、よければそちらも参考になさって下さい。

>>熱中症に注意‼︎ 水分補給の仕方知っていますか?

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こまめな水分補給を行いましょう。
熱中症予防だけでなく、体調(コンディション)を維持するためにも水分補給は欠かせません。

みひらRクリニックでは、患者様に飲み物を持参いただいて水分補給の協力をお願いしています。

診察やリハビリの待ち時間に、院内で積極的に水分補給を行いましょう。


本日は内側半月板の内側にガングリオン様の嚢腫が認められた症例の画像を紹介致します。
患側では半月板内側に丸い嚢腫を確認できますが、患側では認めません。
また丸い嚢腫を囲むように血流集積も確認できました。
文献的にも、半月板嚢腫には全例断裂が存在し、特に水平断裂が半月板嚢腫の形成に関与しているという報告もあります(Barrie,1979)。
嚢腫形成の機序について、半月板変性が外方へ伸展し嚢腫を形成する場合(Barrie,1979)と、変性はなくとも断裂部に交通路を作り、関節液が外方に貯留することによって嚢腫を形成する場合(Ryu,R.K.N ,1993)があるそうです。