疲労骨折(脛骨)のイメージ


第8回目の成長期のスポーツ障害は、「疲労骨折」について説明させていただきます。

疲労骨折自体は、成長期だけに限定された疾患ではありませんが、スポーツ選手が短期的に集中的なトレーニングを行った時に起こる傾向があります。

疲労骨折とは

疲労骨折とは通常の骨折とは異なり、同じ場所に小さな力が少しずつ蓄積することで骨に亀裂(ひび)が入ったり、亀裂が進行して骨折に至った状態です。

慢性的なスポーツ障害のひとつで、ランニングやジャンプなど、同じ動作を繰り返すスポーツ選手に多くみられます。


外傷性の骨折と違い、強い痛みや皮下出血、大きな腫れを伴うことがない場合が多いため、「軽い捻挫だと思っていたら、実際は骨折していた」というケースも多く見られます。

ケガをした覚えがないのに腫れや痛みが続いている場合は、疲労骨折が疑われるため注意が必要です。

その原因

疲労骨折は、足の甲にある中足骨や、脛(すね)の内側にある脛骨、脛(すね)の外側にある腓骨など、運動による負荷を受け易い部位が発症しやすい部位です。

(肋骨、大腿骨、尺骨などでも起こります。)


疲労骨折の好発部位


疲労骨折が起こる原因としては、筋力の不足・アンバランス、身体の柔軟性の不足、競技の技術不足や、オーバートレーニング、選手の体力・技術に合わない練習、不適切なシューズ、固すぎる・柔らかすぎる練習環境など多岐な原因が考えられます。

治療法について

患部の安静を優先して、運動を中止して保存的な治療を行います。

スポーツ競技など、同じ運動を繰り返して症状が発症したのであれば、その動作を1〜2ヶ月程度休止する必要があります。

痛みがある場合は、電気治療などの物理療法、湿布貼付などで炎症の進行を抑えましょう。


リハビリとして運動療法が必要な場合には、アンバランス・不足している筋力の改善、柔軟性の不足している部分の改善、シューズの適合性のチェック、トレーニングメニューの見直しなど、疲労骨折の発生要因となった問題を見直していくことが重要になります。

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シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎) などは、疲労骨折と判別が付きづらい場合があります。

金沢市の整形外科・みひらRクリニックではレントゲン、エコー検査などを使用し、詳細な疲労骨折の検査を行います。


腰椎分離症のイメージ


第7回目の成長期のスポーツ障害は、「腰椎分離症」について説明させていただきます。

腰椎分離症自体は、成長期だけに限定された疾患ではありませんが、スポーツを活発に行う10代前半の青少年に起こり易い傾向があります。

腰椎分離症とは

腰椎分離症は、最下部の腰椎(第5腰椎)の椎弓と呼ばれる部分が分離した状態です。

椎弓の後方部分は細く弱いため、スポーツなどの激しい運動の繰り返しで亀裂が入ることがあり、これが進行すると椎体と椎弓が分離する疲労骨折となってしまいます。

多くはスポーツの競技中や競技後に腰痛を自覚しますが、腰痛が軽度であるため放置しておいたことで分離の程度が大きくなってしまうことがあります。

その原因

多くは骨が未発達な成長期(特に中学生頃)に、背中を反らす動作や体をひねる動作を繰り返し行うことで腰椎の後方部分に負担がかかり、腰椎に亀裂が入ると考えられています。

野球、サッカー、バレー・バスケットボール、ラグビー、柔道などの競技で、身体の前後屈や腰のひねり、ジャンプからの着地といった特定方向への動作を繰り返したり、過度な練習が原因となるケースが多いとされています。

治療法について


コルセットの着用

初期の段階の分離症に対しては、保存的療法を行い、骨癒合を目指した治療を行います。

コルセットを着用して分離部の安静を図り、スポーツを一定期間(状態により3か月~12か月)休むことで、元通りに骨を癒合させます。

並行して電気治療などの物理療法や運動療法によるリハビリテーションを行います。

リハビリは、股関節を中心とした下半身の柔軟性を向上させ、脊椎を支える体幹筋を強化することで腰部へのストレスを軽減させ、腰痛や再度の分離を予防することを目的に行います。


スポーツへの復帰については、医師の判断のもと状態を確認しながら行って下さい。
CTやMRI画像などで骨の癒合状態を確認しながら、復帰時期を検討します。

保存的な治療で完全な治癒が得られる確率が高まりますが、早期に復帰して症状の再発を繰り返す場合も多く見られるため、初期の対応と慎重な復帰時期の検討が重要になります。

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腰椎分離症は、13~14歳のジュニア期をピークに、男子の発症が圧倒的に多いといわれています。

このぐらいの年齢の方で2週間以上腰痛が続く場合には、腰椎分離症を念頭に置く必要があります。

分離症が原因となって、将来的に「腰椎分離すべり症」へと進行する可能性もありますので、心配な方は金沢市の整形外科・みひらRクリニックまでご相談下さい。


本日は腸骨稜のすぐ中枢にて、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋を観察した画像を紹介致します。
吸気時と呼気時の画像を添付致します。
吸気時は大きく筋厚は変化しませんでした。定性的ではありますが、呼気時には内腹斜筋と腹横筋の筋厚の増加を観察できました。
今回観察した呼気時の筋厚の増加と関係があるかは分かりませんが、Schuenkeらは、内腹斜筋は、腹横筋と共に胸腰筋膜を介して脊柱に付着し体幹の安定性に寄与すると述べています。



本日は腱板断裂を呈した患者の健側と患側の画像を紹介致します。
肩峰と大結節を結ぶように、棘上筋腱の長軸がみえるように、プローブを当てました。
健側はきれいに棘上筋腱が確認できます。
しかし患側は棘上筋腱が確認できずに、完全断裂を呈しています。
また、体表からの触診でも棘下筋が萎縮していることが確認できました。
超音波画像でも、肩甲骨棘下窩レベルの棘下筋の筋線維が高エコー像を呈し、萎縮していることが確認できました。





遊学館高校出身で、今年のドラフトで読売ジャイアンツから育成2位指名を受けたBC石川の高田竜星(たかた・りゅうせい)投手が、当院を訪問してくれました。

高田選手は中学、高校時代に当院を受診したことがあり、その縁で今回三平院長まで挨拶に来ていただきました。


今後の高田選手のご活躍を、みひらRクリニックの院長・スタッフ一同期待しています。